秘密のバイトの行く末は…愛され彼女!?【完】
キスしたくなったから私を保健室へ行かせたと堂々と言った桐斗さんは、家でもベタベタが増量した。

日課となっている膝枕をしていると

「…っ…ぃ…ヒャ…ァ…ッ…ン…」
「どっから声だしてんの?」

寝起きの気だるげな男の言葉が下から聞こえる。

「な、なっ…舐めたっ…」
「ああ…アイス食ってる夢見てた…それでか?」
「私に聞かないで、先生っ」

同じ言い訳を前にも聞いたよっ。

「はい、ペナルティな」

下から伸びた長い腕が私の後頭部をグイッっと引き寄せると、ブチュ…っと唇が重なる。

これはアルバイトのはず…膝枕しろって言われた。それだけなのに、膝を舐めたり“先生”呼びのペナルティがキスって…しかも長いっ…ってこのシチュエーション、何度目だ…

ハァ…ハァハァ…

「ちゃんと鼻で息しろよ。もう一度イチから教えるのも悪くないが」
「いやいやいや…何言ってるんですか、せ…桐斗…サン。教えるって何?バイトでしょ?」
「教えるのが天職なの、俺」
「はぁ?ちょっ…と…っ…これって……バイトと違う?」
「ん?」
「……やっぱり…いかがわしいバイト…ですか…?」
「さあ?茉里はどう思う?」

分からないから聞いてるの…ドキドキしながら…

「バイトも生活の一部だろ?俺と茉里が一緒に生活してる。それだけでいい。ん…頭、撫でろ」
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