秘密のバイトの行く末は…愛され彼女!?【完】
口々に大声を出した恵茉たちに気を取られていた私は

「ぅ…ぅん~~…ぁあ…」

という別方向からの声にビクッとして、再び桐斗さんの袖を掴む。声は私のベッドの上からで、大きく伸びをした人の手足が見えると…

「ムカつく…私のベッドでいつまで寝てるのっ」

ここに戻りたいとは思わない。全然思わないけど、自分のベッドのようにリラックスする女の子に無性に腹が立ち

「さっさと起きてっ、出てってっ」

ドットに見えるハート柄のお気に入りのカバーが掛かった布団を

バサッ…

床へ引き下ろすと……全裸の女の子がゆっくりと目を開けて私を見る。

「…ヤダ…ヤダ…ヤダやだヤダ…臭いし…もう…ヤダ…」
「茉里」

グイッっと桐斗さんが私を抱き寄せ、頭ごと抱きしめると

「汚いモン見るな。コイツらおかしいからな。帰るぞ」

はっきりと言った。

「茉里はお子さまだから、臭いとか…アハハッ…耐性ゼロだね。灰原センセ、茉里を連れて帰るの?その子、子どもでセンセの相手にならないでしょ?」
「アンタは娼婦か?茉里の綺麗さのカケラもないのな。似てるところがないな。だから俺の記憶に高校生のアンタがいないんだ」
「なっ…なんて…ひっど…ぃ…」
「男を連れ込んで遊んでないで、まずは掃除しろよ。せっかくのいいリビングも散らかり放題な上に、アンタがさっきグラスやら落として…カーペットはボツかもな。そこもちゃんと撮ってるから親に送っておく」
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