時は全てを奪うけれど
あとがき
ノベマからの転載ですが(あちらには、あとがきはなし)読んでくださった方々、ありがとうございます。

これは、本音を言うと、あまり書きたくはなかったテーマである“余命✕純愛”のお話なのですが…何しろ書きたくないテーマ、しかも今はスランプの真っ最中なだけに、変化球を投げるしかなかった感じですね。

自分の中で、余命を扱う話というのは、どこかアンタッチャブルというか、有り体に言うと、軽々しく死で涙を誘うという手は使いたくはなかったのです。

勿論、別に誰も軽々しく書いてはいないのでしょうけれど、読む側から見ると、何となく軽いように感じてしまうことはあるのでは?

もともと避けていたテーマでもあるし、今スランプだし…と思っていましたが、苦手なテーマでも書いてみるのも勉強の内かなと。

前にも、そんなテーマ、私には書けません!(※不倫がテーマだった時)ということがあり、その時も、主人公が不倫をしているわけではないという話にして挑んでみました。

その結果は、当然ながらかすりもせず、でしたが、書きたくないテーマの時には、そういう変化球で挑むという方法もあるのかもしれないと。

求められているものは、恋人同士のどちらかが死んでしまう話なのはわかってはいます。

だけど、こう言ってはなんですが…10代〜20代前半の若い恋人同士のどちらかが死んでしまったとしても、遺されたほうは、いつかまた別の人とくっつきますよね、ほぼ確実に。

それがわかっているだけに、尚更書きたくなかったわけです。

小説はそこで終わりなので、何もその後のことまでは考える必要ないのですが、どう言っていいのかなぁ…いつかはまた別の人とくっつくとしたら、結局は余命というシチュエーションに酔っていただけ、みたいな気もしてしまって。

そこでふと、若くして家族を亡くす悲しみとか、最愛の人と結婚して、幸せに何十年も一緒に暮らしてからの死別のほうが、もっと哀しみは深いようにも思えました。

若ければ、哀しみも時が癒やしてくれるかもしれないけれど、結局は早いか遅いかの違いで、どんな人の恋も、人生も、期限つきなのは同じなんですよね。タイトルのまんまですが、時が全てを奪っていくから。

あくまでコンテスト用というか、もしコンテストと全く関係なかったら、まず書くことのなかったテーマなので、こういう形にしてみました。

もしかしたら、テーマに沿っていないと思われ、最後まで読まれず失格扱いになるのかも…?そこはどうか判りません。

今、まさにスランプ状態ではあるものの、ロマンス以外であれば、書きたいものは色々あるんですよね。

私が10代の子を主人公にするとしたら、ロマンスよりもむしろ、家庭の問題とか、コンプレックスとか、友情が少しずつダメになっていく様子とか、そういうものを書きたいし、青春イコール恋愛という考えが苦手なのは今も変わらず。

ただ、ロマンス皆無の青春モノが、果たしてどれぐらい需要あるのか?というのはあります。

正直、同じ自作の中でも、読まれる、読まれないものの基準が全くわかっていませんが、完結していない割に割と読まれる部類の、略してヤパキュリことY'a pas que les grands qui rêventは、冒頭がいきなり離婚&帰郷から始まると言っても、今後ロマンス展開をいれる予定はありません(笑)

最初、淡い恋ぐらいは入れようかなー?と思ったものの、だめな男に振り回されて、痛い目を見た世間知らずで頼りない女性が、最終的にはもう男には頼らない姿へと変わっていく姿を書きたいので、それはやめておこうと。

自分が読者の場合、ヒーローの登場しない少女小説や、大人が主人公でも、恋愛抜きの話のほうが好みなんですわ。

そんなわけで、ノベマにはない超蛇足あとがきを付け加えたところでフィニッシュ(笑)

また、別の拙作にてお目にかかれますよう。
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