病んだ心をつまびいて
うしろから2本の太い腕がまわってくる。
閉じ込めるような行為は、まるで逃げるなとでもいわんばかりの拘束感をはらんでいた。
一瞬湧いたときめきが、すぐさま戦慄へと変わる。
「うなずけ」
てのひらが、私の喉元にあてがわれる。
従わなければここを潰すという無言の脅迫。
鼓膜を這うような声に心臓が凍りく。
「……は、い」
私の返事に静かにほほえんだ新山くんは、そのまま私のうなじにくちびるを押しつけたあと、ようやく解放してくれた。