病んだ心をつまびいて




.





「お、おじゃまします」




新山くんのおうち。

綺麗な一軒家。





「あの、ご両親は」

「仕事。気にしなくていい」

「うう……ご挨拶したかったな」

「そのうちな。俺の彼女だって、きちんと紹介するから」





さらりと、淡々と。
そんなことを言いのけてしまうのだから心臓に悪い。




2階に上がり、突き当たり。

新山くんの自室に入ると、物が少ないシンプルな空間が視界に広がった。



整理整頓されている棚や机の上。
布団はきちんと畳まれている。


そしてハンガーに大切そうに掛けられた柔道着。
トロフィーやメダルが飾られており、努力の結晶が詰め込まれていた。



新山くんの几帳面できっちりとした性格がこれでもかと現れている。
どこかの誰かさんとは正反対。





< 300 / 311 >

この作品をシェア

pagetop