病んだ心をつまびいて
「新山くんの匂いがする……はぁ、くんくん」
「おまえな……相手が俺じゃなかったら引かれてるぞ」
「うぅ……なんか、感動だよ。新山くんの人生が凝縮されてるね」
「そりゃ俺の部屋だし……」
「恐縮ですが、命よりも大事であろう柔道着の匂いを嗅がせてもらってもいいですか?」
「……もう好きにしろ。俺、飲み物持ってくる」
「ありがとう!」
新山くんの柔道着をおろし、ぎゅううと抱きしめる。
はうううう、かっこいいいい
これがあのたくましい身体を包み込んでいるんだね。
汗や涙を吸収しまくった柔道着。
新山くんに大事にされながら、新山くんの私生活をここで見守っているのかぁ。
「ううう、この柔道着になりたい……」
頬擦りをしていると、背後から伸びてきた手に、ちょっと荒っぽく柔道着を取り上げられてしまった。