望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
欧州の貴族の館のような歴史を感じる玄関ホールには東西に向って階段がある。
東側の階段を二階に上り、いちばん奥が美紅の私室になる部屋だった。
ふた部屋続きで、それぞれ十畳以上あるだろうか。
出入口がある部屋は、居間としての用途のようだ。中央にソファセットと、ローテーブルが置かれ、壁には大きなテレビが。明るく開放的な印象だ。
奥の部屋にはひとりで眠るには大きすぎるベッドが置かれていた。他にはドレッサーと箪笥などオーク素材のアンティークな家具が揃えられていて、落ち着く雰囲気に整えられていた。
どちらも素晴らしいが、美紅は特に寝室が好みだと感じた。
(素敵な部屋……)
笛吹家での美紅の私室だった部屋とは大違いだ。
北側で日当たりが悪い小さな部屋は、風通しが悪いせいでじめじめしていて、夏はカビを悩まされていたというのに。
「取り急ぎ必要と思われるものを揃えました。しかしあまり時間がありませんでしたので、十分とは言えないかもしれません」
申し訳なさそうな顔をしている川田が、美紅の笛吹家での暮しぶりを知ったら、非常に驚くだろう。
「足りないものがあるようでしたら、なんなりとお申しつけください」
東側の階段を二階に上り、いちばん奥が美紅の私室になる部屋だった。
ふた部屋続きで、それぞれ十畳以上あるだろうか。
出入口がある部屋は、居間としての用途のようだ。中央にソファセットと、ローテーブルが置かれ、壁には大きなテレビが。明るく開放的な印象だ。
奥の部屋にはひとりで眠るには大きすぎるベッドが置かれていた。他にはドレッサーと箪笥などオーク素材のアンティークな家具が揃えられていて、落ち着く雰囲気に整えられていた。
どちらも素晴らしいが、美紅は特に寝室が好みだと感じた。
(素敵な部屋……)
笛吹家での美紅の私室だった部屋とは大違いだ。
北側で日当たりが悪い小さな部屋は、風通しが悪いせいでじめじめしていて、夏はカビを悩まされていたというのに。
「取り急ぎ必要と思われるものを揃えました。しかしあまり時間がありませんでしたので、十分とは言えないかもしれません」
申し訳なさそうな顔をしている川田が、美紅の笛吹家での暮しぶりを知ったら、非常に驚くだろう。
「足りないものがあるようでしたら、なんなりとお申しつけください」