望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~

翌日。長年の習慣で六時前に目覚めた美紅は、部屋に備え付けられたシャワールームで顔を洗い身支度を整えた。

持ってきていた服の中で一番新しいシャツとスカートに着替えをすると、たちまち手持ち無沙汰になってしまった。

(どうしよう……)

普段ならすぐに家事に取り掛かるが、今の立場ではそんなことを望まれていないはずだ。

昨日見ることが出来なかった温室に行ってみたいが、勝手に動くのは良くないだろう。

とはいえ誰かにお伺いを立てるにも、この時間では美紅以外はまだ眠っているかもしれない。

(他の人が動き出すまでは、ここでじっとしているしかないかな)

窓辺に立つと広い庭の様子が眺められた。昨日から降り続いていた雨は上がり、今日は天気に恵まれそうだ。

瑞々しさを感じる樹の枝で、小さな鳥がひと休みしている。とても平和な光景だ。

(可愛い……あれは何て鳥だったかな)

あとで調べてみよう。
< 35 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop