京極家の花嫁〜財閥御曹司の秘めた愛〜
きっかけはなんであれ、史輝は美紅を妻にすると決めたと言っている。それなら彼から突き放されるまでは、妻として努力しよう。

美紅は決心して史輝を見つめた。

「分かりました。努力します」

決意が彼にも伝わったのだろうか。僅かに目を見開く。

「これからよろしくお願いします……史輝くん」

とくんと鼓動が跳ねた。脳裏に懐かしかった思い出が過ったのだ。

「ああ、こちらこそよろしく」

史輝が今何を思っているのかは分からない。けれど優しい笑顔を見せてくれたから、美紅は幸せな気持ちを感じていた。


< 51 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop