夏に咲く君に、きっと恋する【完】
きっと、あの夏を紡ぎ続ける
 それから、彼とは何回夏を過ごしただろうか。数え切れない程の夏を乗り越えてきた。

 もちろん、彼が嫌いな雨の日もたくさん、と。

 「だからね、そういうわけで、おばあちゃんはおじいちゃんの事が大好きなんだよ」

 そう凛に話すと、

 ーーそんな風には見えないけど、意外だな、

 と訝しげな顔をしていた。

 都会の人はもっとロマンチックでかっこいい恋愛をするのに、ベタな恋愛だね、とも言っていた。
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