高校生と大学生
盈盈一水
 クリスマスが近づいて街が赤や緑だらけになってきた頃、新作が出たとの情報を掴み、私はカフェのすぐ近くまで来た時、見たくないものを見てしまった。
 私は頭が真っ白になった。
 お兄さんが、すごく綺麗で、スラッとしていて大人っぽい、素敵な女の人と歩いている。
 「嘘だ、」
 思わず口にしてしまい、慌てて口元を抑える。
 やっぱりそうだよな。
なんてベタな失恋の仕方なんだろうと分かっていながらも心が強く締め付けられる。お兄さんはいつもよりもかっこよく見えて、心做しか私には遠い存在の「1人の大人」に見えた。
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