そんなの、嘘。

電気が点かない。

なんで?

停電?



窓に移動して、外の様子をうかがう。

アパートの外は電気の明かりが見える。



「停電じゃない」



暗い部屋の中。

スマートフォンのライトを点ける。

その時。



チカッチカッ……。



電気が点いたり消えたり、点滅し始めた。



「何、これ……」



その時、リモコンを触ってもいないのに、テレビの電源が入った。



『……今日の午後二時頃、〇〇地方で開催される予定だった〇〇祭りは、急な悪天候の為……』



身に覚えがないのに、大音量になっている。

女性キャスターの声が、耳から全身に響くように聞こえてうるさい。



「もぉ、やだ、何これ!」




イライラと恐怖で、よくわからない感情になる。

リモコンを手に取り、テレビの電源ボタンを押す。



テレビを消すと、電気の点滅はおさまり、何事もなかったかのように電気の明かりも消えた。

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