本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
 生理的な涙が目尻に溜まり、腰から下がジンジンと疼く。まだキスだけなのに体の芯が彼が欲っしている。
 唇が離れた瞬間、口から言葉が突いて出た。

「圭吾が欲しい」

 彼が目を見開く。

「煽るな。自制が利かなくなるだろ。こっちはずっと、理性を保つのに必死なんだ」
「理性なんていらないわ。私の前ではただの〝朝比奈圭吾〟でいて」 
「おまえ……」

 苦いものを噛んだような顔になった彼が、大きなため息をつく。

「そんなこと言ったらひどい目に遭うかもしれないぞ」

 彼が眉をキュッと中心に寄せて、怒ったような困ったような顔をする。キュンと胸が甘く鳴り、衝動的に自分から唇を押しつけていた。

「それでもいい。誰にも見せたことのない圭吾を見たいの」

 彼は大きく目を見開いた後、噛みつくように私の唇を塞いだ。



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