本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
まさかギリギリでこんなことになろうとは。
驚きと感動で呆然としていると、彼がゲーム終了を告げて立ち上がった。
「行こう」
「え?」
「あまり長居すると、カモにされそうだからな」
周りを見回すといつの間にか他の客が集まっている。夢中になっていて気づかなかったが、ゲームの勝敗が注目を浴びていたようだ。
お兄ちゃんは私の手を取ると、人の波をかき分けその場を抜け出した。
換金を終えカジノを出たところで彼が腕時計に視線を落とした。
「もう八時すぎか。ちょっとゲームに熱中しすぎたな。ごめん、腹減っただろう?」
「ううん、そんなには。楽しくてあっという間だったもの」
「そうか。とりあえずなにか食いに行こうか。香ちゃんはなにがいい?」
「そうねぇ……」
食べる場所はショッピングモールにもホテルにもたくさんあり、和洋中、インド、アジア、とにかく料理の種類に事欠かない。それなのに食べたいものがまったく思い浮かばなかった。カジノの興奮のせいか熱気に当てられたのか、あまり空腹も感じない。けれどこのままあっさりお兄ちゃんと別れるのは嫌だった。
積もる話もまだまだある。
できたら気兼ねなく、ふたりでゆったりとできる場所がいい。
「あ!」
「なにか思いついたのか?」
うなずいてその場所を告げた瞬間、形のよいアーモンドアイが大きく見開かれた。
驚きと感動で呆然としていると、彼がゲーム終了を告げて立ち上がった。
「行こう」
「え?」
「あまり長居すると、カモにされそうだからな」
周りを見回すといつの間にか他の客が集まっている。夢中になっていて気づかなかったが、ゲームの勝敗が注目を浴びていたようだ。
お兄ちゃんは私の手を取ると、人の波をかき分けその場を抜け出した。
換金を終えカジノを出たところで彼が腕時計に視線を落とした。
「もう八時すぎか。ちょっとゲームに熱中しすぎたな。ごめん、腹減っただろう?」
「ううん、そんなには。楽しくてあっという間だったもの」
「そうか。とりあえずなにか食いに行こうか。香ちゃんはなにがいい?」
「そうねぇ……」
食べる場所はショッピングモールにもホテルにもたくさんあり、和洋中、インド、アジア、とにかく料理の種類に事欠かない。それなのに食べたいものがまったく思い浮かばなかった。カジノの興奮のせいか熱気に当てられたのか、あまり空腹も感じない。けれどこのままあっさりお兄ちゃんと別れるのは嫌だった。
積もる話もまだまだある。
できたら気兼ねなく、ふたりでゆったりとできる場所がいい。
「あ!」
「なにか思いついたのか?」
うなずいてその場所を告げた瞬間、形のよいアーモンドアイが大きく見開かれた。