本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
「お兄ちゃん!」
「やっぱり香ちゃんだった」
驚きすぎて呼び方が戻ってしまったことに気づいたが、それどころではない。
「どうしてここに……」
「どうしてって、知らないのか? うちの法律事務所に出演の依頼が入っていたこと」
「あ!」
このセミナーにはアウトバウンド業務――すなわち、日本企業が海外で事業を展開するに当たって必要となる法務――に特化した弁護士を民間の法律事務所からゲストとして出演してもらうことになっていたのだ。
まさかそれが圭君だなんて……。
たしかに資料には『山崎法律事務所』と書いてあった。目には入ったが、それが彼の所属する事務所だなんて思いもしなかった。仮にそうだとしても、二百名以上の弁護士がいる中で彼が来るとは思えなかっただろう。
「あの、お話しのところ申し訳ありません。松元事務官はどちらでしょうか?」
圭君の後ろからかわいらしい声が聞こえ、ハッとした。彼の後ろで小柄な女性が怪訝そうな顔をしている。
しまった。職務中だった。
「大変申し訳ございません。本日松元は急遽欠席となりまして、私北山が代わりを務めさせていただきます」
名刺を差し出すと、彼は一瞬軽く見張った目をふわりと和らげる。
「山崎法律事務所の朝比奈です」
「アシスタントの菊池と申します」
「やっぱり香ちゃんだった」
驚きすぎて呼び方が戻ってしまったことに気づいたが、それどころではない。
「どうしてここに……」
「どうしてって、知らないのか? うちの法律事務所に出演の依頼が入っていたこと」
「あ!」
このセミナーにはアウトバウンド業務――すなわち、日本企業が海外で事業を展開するに当たって必要となる法務――に特化した弁護士を民間の法律事務所からゲストとして出演してもらうことになっていたのだ。
まさかそれが圭君だなんて……。
たしかに資料には『山崎法律事務所』と書いてあった。目には入ったが、それが彼の所属する事務所だなんて思いもしなかった。仮にそうだとしても、二百名以上の弁護士がいる中で彼が来るとは思えなかっただろう。
「あの、お話しのところ申し訳ありません。松元事務官はどちらでしょうか?」
圭君の後ろからかわいらしい声が聞こえ、ハッとした。彼の後ろで小柄な女性が怪訝そうな顔をしている。
しまった。職務中だった。
「大変申し訳ございません。本日松元は急遽欠席となりまして、私北山が代わりを務めさせていただきます」
名刺を差し出すと、彼は一瞬軽く見張った目をふわりと和らげる。
「山崎法律事務所の朝比奈です」
「アシスタントの菊池と申します」