君のブレスが切れるまで―on a rainyday remember love―
 ガタンゴトン、ガタンゴトン。


 均等に聞こえるリズミカルな音が鳴り響き終わった後、私は線路の反対側へ謝罪の言葉を述べる。


「総一朗、ごめんなさい」
「いいえ。お嬢様が無事であれば、私は構いません」


 びしょ濡れの総一朗が笑って答えてくれる。きっと私のことを捜し回っただろう。
 死ぬ理由が無くなってしまった。きっと、私が死んだところで何も変わらなかった。
 ただ言えるのは、この日、私はあの笑顔の女の子に救われたのだ。人はたかが数分の出来事だと言うだろう。たったひと目会っただけなのにと言うかもしれない。それでも、私は彼女に救われた。
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