塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 今思うと、母だけを頼りに見知らぬ土地にやってきたひなたには酷だった。

 あの時ひどくひなたを傷つけた罪悪感がまだ胸の奥で燻っている。
 なにひとつ間違ったことは言っちゃいないと今でも思ってはいるけれど、本当だからこそ言っちゃいけなかった。
 
 ずっと感情を押し殺していたひなたが体を丸めて大声で泣いた姿を今でも覚えている。
 
 生まれて初めて自分の言動を後悔した。塾の講師の間違いを厳しく指摘して泣かせた時も、バレンタインに手作りチョコをくれようとした下級生を冷たくあしらって泣かせた時も別に反省などしなかった。
 自分は悪くない。ただ相手がむこうの都合で泣いているだけだと思った。
 相手が女だろうが年下だろうが、涙くらいで心が揺れることはなかった。
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