塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
たすくが納得いかない顔をする。大学に行けるだけでもありがたいから、今の暮らしに不満はない。
一時一緒に暮らしていたけれど、ひなたとたすくは違う。もともと交わることのない人生が、なにかの間違いで一緒に過ごしただけで。
「そういえば、ハル君から連絡来て、たすく君に会ったらお礼が言いたいって」
あの日、たまたまたすくが来なければ、どうなっていたかわからない。いつも冷たいしワガママで傲慢に見えるけれど、たすくはいざとなったら行動力もあるし、優しい。
「礼なんていいよ」
「なんかたすく君、困った時いつも助けてくれるから……ノーブレスオブリージュっていうのかな」
「……え?」
「たすく君で、すごく恵まれてるから。困った人をその分助けてくれるの」
「なんか使い方違う気がするし、別に助けるつもりなんかなかった。たまたま立ち会っただけだろ」
「ううん。それでもやっぱりできない人はできないよ。私は怖くて固まって動けなかったから。……だからありがとう」