塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件

 そしてまたさっきの出来事を思い出して耳まで赤くなる。

 ──あ、あれはなんだったんだろ。付き合ってもないし、一体なにがあったんだろう。

 心臓がばくばくする。でも、抱きしめられて、幸せだった。自分はたすくが好きなのだろうか。もちろん好きだ。だけど恋愛対象なのだろうか。
 同じ学校に行っていた時は、テレビの画面越しに見るような遠い存在に感じた。家で勉強を教わったりしても、自分が特別な存在になれるなんて思いもしなかったし、思ったところで叶うはずもない。

 そう思っていたはずなのに……。でも期待しちゃだめだ。期待するといつも裏切られるから。

「春日さん、体調悪そうだし今日は送ってくよ」
「いや、いいですよ」
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