塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
 よく考えたら、デートっぽいことは初めてだった。
 たすくの実家から帰ったあとは、もうたすくも完全にひなたを彼女扱いしていて、正直戸惑う。
 最近特に目に見えて優しくなっていて、元から優しい人だけど表に出すことは基本的になかったので、この変化がちょっと気恥ずかしい。
 時間が合えば大学も一緒に手を繋いで行ったこともある。
 歩幅の狭いひなたに合わせてゆっくり歩いてくれるし、重い荷物は持ってくれるし、ひなたが車道側を歩けば、歩道側に引き寄せる。

 ──誰かになにかを言われたのかな。

 女の子の扱いなんて興味が一切なさそうなたすくが、紳士っぽい。そういえば紳士の国イギリス貴族の血を引いてるんだった。
 ふとショーウィンドウに映った自分とたすくを見て、釣り合わないなぁと思った。
 一緒に街を歩いてみて、よくわかった。
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