塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件


「ストレスで出たりする?」
「するねぇ」

 やはり痴漢に遭ったストレスか。

「薬とかあるの?」
「あるよ。友達かなんか?」
「まぁそんなとこ」

 結局痴漢のことは、ひなたに両親には言うなと口止めされた。納得いかないが、なんだか勝手に言うのもはばかられてどうしたものか考えあぐねていた。

 ──まぁ俺には関係ないけど。

 天は自ら助くるものを助く。西洋の古いことわざだが、本当だと思う。自分で自分を助けない限り、状況はよくならない。
 代わりにどうにかマシな明日を望んであがくなら、多少後ろに下がることはあっても、段々と前に進めると思う。
 世の中は平等なんかじゃない。自分の弱さに甘んじて、理不尽を受け入れていると、悪い奴に搾取されて奪われるだけなのだ。 
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