塩系男子のステルス溺愛 クールで無愛想な義兄が、なぜか私にだけ甘すぎる件
そう訊くと、かなえはわからないと悲しそうに首を振った。
「私が誰かといると、相手を不幸にしてしまうの。今回のことでよくわかった。頭を冷やすために、これからの人生は一人になろうと思う」
一人というのは、どういうことだろうか。
「正次さんがひなたを引き取りたいって。だからひなたは今の生活を続けられる」
「なんで? 私が邪魔になったの?」
とうとうひなたまで捨てるということだ。
──やっぱり私は誰にも愛されてなかったんだ。
今まで母一人子一人で、支え合って生きてきたつもりだったが、いざとなればひなたは切り捨てられる程度の存在だった。その事実に打ちのめされていた。