前世恋人だった副社長が、甘すぎる
夕方、メールの返信を終え、パソコンの電源を切る。
そして、
「またあとで。お先に失礼します」
副社長室に残る怜士さんに挨拶をして扉を閉める。
怜士さんは笑顔で手を振ってくれた。
そしてエレベーターのほうへ歩いていくと、
「菊川さん」
田川さんに急に呼ばれた。
怜士さんの側から離れた田川さんは、やっぱり顔色が良くていきいきしていた。そして、心配そうに私に聞く。
「菊川さん、副社長秘書の業務、大丈夫ですか?」
「ええ、おかげさまで」
笑顔で返事をする。
「今のところ問題は起こっていませんが、何か分からないことがあれば、田川さんに教えていただいてもいいでしょうか」