前世恋人だった副社長が、甘すぎる



「私、ピアノは四十五年間やっていることになっているから。

でも……怜士さん、私のために頑張ってくれたんですね」


そう告げると、また照れたように頬を染めてそっぽを向く怜士さん。

そんな怜士さんが、やっぱり可愛い。

私は怜士さんの頬にそっと唇を付けて告げる。


「大好きです」


お返しに、怜士さんは甘い甘いキスをくれる。


「一つ、約束を果たせたな。

こうやって、昔の約束を、少しずつ叶えていきたい」

「そうですね」



私は、こんなにも怜士さんに愛されて、大切にされて、今世もとても幸せだ。

これから、二人のはじめてを少しずつ積み重ねていきたい。

そして、今世では二人で笑って人生の幕を閉じるんだ。




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