結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
久しぶりに思い出したわ。
あれ以来ずっと会っていないけど、あの男の子は元気かしら?
「あの男の子がまだ結婚していなければ、私を迎えにきてくれないかしら? ……なんてね」
懐かしい思い出に少し浸った後、一気に現実に引き戻される。
……ダメよ、セアラ。現実から逃げては。
そんな人任せな夢を願うより、自分自身で動いていかなくちゃ!
ただ時間に身を任せているばかりでは、今後も婚約のお話をいただけない可能性が高い。
結婚することが決まってから仕事を辞めるのではなく、その前に辞めたほうがいいのかもしれない。