結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

12 「セアラが好きだから」???


 なぜ2人がこんなにも驚いているのかを理解し、すぐに訂正する。


「誤解させる言い方をしてしまい、申し訳ございません。すぐに結婚するのではなくて、結婚するための準備……その、お相手を探す……と言いますか」

「……これから結婚相手を探す?」

「はい」

「じゃあ、今はそんな相手はいないんだな?」

「? はい」


 ジョシュア殿下は安堵したように「はあ〜……っ」と息を吐き出した。
 トユン事務官も静かに椅子に座り直している。

 机に肘をついた殿下は、自分の頭を支えるように額に手を当てた。
 前髪がかき上げられて恨めしい目を向けられているが、どこか色っぽさを感じる。


「……それで、俺の婚約者が決まったらというのは?」
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