結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜
 
 ジョシュア殿下が不機嫌!?
 
 妃候補決めについてなかなか協力してくれなかったけど、ただ私を困らせて楽しんでいるだけだと思っていたわ。
 企画自体が気に入らないということ?


 
「ジョシュア殿下は結婚したくないのでしょうか?」
 
「そうではないわ。そうではないんだけど……まったく。トユンのせいで……」
 
「トユン事務官が何か?」
 
「ああ。こっちの話よ。とりあえず……そうね。一度お父様と相談して、何かあったらまた来るわ」

「はい……」



 陛下と相談? 何を? 何かあったらって、いったい何が?
 ……詳しく聞いてもいいのかしら?


 
「じゃあ、よろしくね!」
 
「あっ! マーガレット殿下……っ」

 
 私の呼び声には反応せず、マーガレット王女はドレスを翻しながらその場を去って行った。


 
 ああ……行ってしまったわ。相変わらず嵐のような方ね。
 いったい本題はなんだったのかしら?
< 92 / 318 >

この作品をシェア

pagetop