結婚相手を見つけるため秘書官を辞めたいです 〜なのに腹黒王子が「好きだ」なんて言って邪魔してくるのですが!?〜

15 初恋の男の子……?


 玄関ホールに入ると、使用人たちがずらっと並んでフレッド王子を出迎えていた。
 呼ばれて今到着したのか、少し息切れした父も立っている。


「フレッド殿下。はじめてお目にかかります。アーサー・バークリーです。こちらは妻のローズと娘のセアラです」


 父が挨拶をしている間に父の横に並び、2人で軽く頭を下げる。
 フレッド王子も片手を腰に、もう片方の手を胸元に当てて、少しだけ頭を下げた。


「フレッド・ロイ・ジェラルダンです。本日は急な訪問となってしまい失礼しました」

「いえいえ。ようこそお越しくださいました。お食事も用意しておりますので、どうぞこちらへ」

「ありがとうございます」



 ……急な訪問? それで私が呼ばれたのかしら?
 
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