プラトニックな事実婚から始めませんか?
相談
***
「祥子、お待たせー」
公園に入ってからまもなく、後ろから聞き慣れた声がして振り返ると、小さな女の子と手をつなぐ利根芹奈が、女の子の歩幅に合わせて、ゆっくりと近づいてきていた。
「ううん、全然待ってないよ。今来たとこ」
「本当? よかった。埋め合わせ、公園でごめんね」
体調が回復したから会いたいと、芹奈から連絡をもらったのは昨日の夜のことだ。
ちょうど明日休みだからランチでもしようと誘ったけれど、公園に行くから付き合ってほしいと言われて、私は彼女の自宅近くにある公園に来ていた。
一面芝生の広々とした公園には、赤ちゃん連れの夫婦や、小さな子どもとピクニックを楽しむママ友らしき女性たちの姿がちらほらと見える。
公園の樹々は、赤や黄色に色づき始めているが、子どもたちは肌寒さなどなんのそので走り回っている。
芹奈もよくここへ遊びに来ているようで、遊び道具の入った手提げバッグを持参している。
「なんだか、のんちゃん、大きくなったんじゃない?」
芹奈と手をつなぐ女の子の顔をひょいとのぞき込むと、ぷいっと目をそらされる。のんちゃんは相変わらずの照れ屋さんだが、とても可愛らしい顔立ちをしていて、どことなく芹奈にも似ている。
「わかる? 来年の4月から幼稚園だよ」
のんちゃんの本名は、村山乃梨佳。通称のんちゃん。芹奈の姉、優佳の一人娘だ。
「祥子、お待たせー」
公園に入ってからまもなく、後ろから聞き慣れた声がして振り返ると、小さな女の子と手をつなぐ利根芹奈が、女の子の歩幅に合わせて、ゆっくりと近づいてきていた。
「ううん、全然待ってないよ。今来たとこ」
「本当? よかった。埋め合わせ、公園でごめんね」
体調が回復したから会いたいと、芹奈から連絡をもらったのは昨日の夜のことだ。
ちょうど明日休みだからランチでもしようと誘ったけれど、公園に行くから付き合ってほしいと言われて、私は彼女の自宅近くにある公園に来ていた。
一面芝生の広々とした公園には、赤ちゃん連れの夫婦や、小さな子どもとピクニックを楽しむママ友らしき女性たちの姿がちらほらと見える。
公園の樹々は、赤や黄色に色づき始めているが、子どもたちは肌寒さなどなんのそので走り回っている。
芹奈もよくここへ遊びに来ているようで、遊び道具の入った手提げバッグを持参している。
「なんだか、のんちゃん、大きくなったんじゃない?」
芹奈と手をつなぐ女の子の顔をひょいとのぞき込むと、ぷいっと目をそらされる。のんちゃんは相変わらずの照れ屋さんだが、とても可愛らしい顔立ちをしていて、どことなく芹奈にも似ている。
「わかる? 来年の4月から幼稚園だよ」
のんちゃんの本名は、村山乃梨佳。通称のんちゃん。芹奈の姉、優佳の一人娘だ。