心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
その夜、グレイとレオは遅くまでイザベラをどうするかについて話し合った。
お互い今のイザベラをよく知らないため何も計画は立てられず、結局グレイが今後イザベラとマリアの関係を調べるということで話し合いは終わった。
「それにしても、マリアはめちゃくちゃ可愛いな! 俺もたまにはお兄ちゃんって呼んでもらおう」
「ダメだ」
「なんでだよー。いいじゃん、たまーーに呼んでもらうくらい」
「ダメだ」
「はぁー……。お前、心狭すぎ……」
この時レオを『お兄ちゃん』と呼ばせておけば良かったと、『レオ』と呼ばせるのではなかったと、グレイが後悔するのは数年後の話である。