心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 セイジョ? 宝? 憧れ? 希望? 特別?
 ……誰が?



「……マリアが?」

「そうだ。本当なら、こんな場所でこんな扱いを受けるべきではない。王宮で過ごすべきなんだ」

「王宮にお兄様はいる?」

「いない。俺の家はここだからな」

「じゃあマリアも行かない」

「……王宮なら何不自由なく暮らせるぞ」

「マリア、お兄様と一緒がいい」

「……そうか」


 グレイはマリアから顔を離すと、手を顎に当てて何か考え出した。
 ブツブツ何か言っていたが、何を言っているのかマリアにはわからなかった。
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