心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 エミリーは緊張しているのか普段からそうなのか、元気よく返事をすると浴室へと小走りで向かった。

 マリアは状況についていけてないらしく、ポカンとしたままベッドの上で座っている。
 グレイは気になっていたことをガイルに確認した。


「エミリーは聖女のことを知っているのか?」

「はい。これからこちらで生活をなされるのであればと、使用人には今朝話しました。今残っているのは皆信用のおける者ですのでご安心ください」

「そうか。わかった」

「料理長など、朝から張り切って食事を作っておりました。楽しみにしていてください」


 ガイルがにっこり笑いながらマリアにそう言うと、マリアの顔がパァッと明るくなったように見えた。



 ……デザートまでしっかり用意させるよう、後でガイルに伝えておこう。
 
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