心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 グレイがそう思ってしまうほど、食堂は明るく華やかな部屋へと変わっていた。
 マリアの登場に、屋敷中が盛り上がっているのがよーーく伝わってくる。


「わあ! なんか可愛い感じの部屋になったね! マリアが喜ぶんじゃない?」

「……こんなので喜ぶのか?」

「そりゃそうでしょ! マリアだって女の子なんだから」

「そうか……」


 レオが当然のように話すのを、ガイルがうんうんと頷いている。
 グレイには到底理解できなかった。



 花が飾ってあっても邪魔なだけではないか?
 明るくて目がチカチカしないか?
 可愛い? これでマリアが本当に喜ぶのか?



 レオがいなかったなら、邪魔な花をどけろと言ってしまっていたかもしれない。

 理解はできないが、マリアが喜ぶ可能性があるのなら……とグレイは花を処分せずにそのまま飾ることにした。
< 247 / 765 >

この作品をシェア

pagetop