心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
グレイがそう思ってしまうほど、食堂は明るく華やかな部屋へと変わっていた。
マリアの登場に、屋敷中が盛り上がっているのがよーーく伝わってくる。
「わあ! なんか可愛い感じの部屋になったね! マリアが喜ぶんじゃない?」
「……こんなので喜ぶのか?」
「そりゃそうでしょ! マリアだって女の子なんだから」
「そうか……」
レオが当然のように話すのを、ガイルがうんうんと頷いている。
グレイには到底理解できなかった。
花が飾ってあっても邪魔なだけではないか?
明るくて目がチカチカしないか?
可愛い? これでマリアが本当に喜ぶのか?
レオがいなかったなら、邪魔な花をどけろと言ってしまっていたかもしれない。
理解はできないが、マリアが喜ぶ可能性があるのなら……とグレイは花を処分せずにそのまま飾ることにした。