心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない
「……マリア。ここに座れ」
「はい」
隣の椅子をポンと叩くと、エミリーがさっとやってきて椅子を後ろに引いた。
マリアが1人で座るには少し高く、エミリーに身体を支えてもらいながらなんとか座ることができていた。
誰もが一生懸命椅子に座ろうとしているマリアを温かい目で見守っていたが、レオとガイルだけはまだジトーーッとした目つきでグレイを見つめている。
……うざったいな。
「ほら、食べるぞ」
グレイは2人からの鬱陶しい視線に気づかないフリをして、食事を始めることにした。
レオは不満顔をしていたが、マリアの前だからか文句は言ってこなかった。