心を捨てた冷徹伯爵の無自覚な初恋 〜聖女マリアにだけ態度が違いすぎる件〜

40 グレイvsエドワード王子


 エドワード王子から『結婚』を知らないのか? と聞かれたマリアは、コクリと頷いた。
 王子は呆れたようなため息をつきながら話し出す。


「結婚っていうのは……男と女がずっと一緒に暮らすってことだよ」

「一緒に暮らす? 私とエドワード様が『婚約者』になったら、結婚して一緒に暮らすの?」

「……っ! そ、そうだよ!」


 マリアからの直球の言葉を聞いて、王子の顔がぼっ! と真っ赤になる。
 マリアは少し困った顔をしながら質問を続けた。


「じゃあお兄様は?」

「はぁ? 結婚したら別々に暮らすに決まってるだろ?」

「…………!」



 結婚したらお兄様と一緒に暮らせない?



 エドワード王子からの返答に、マリアはショックを受けた。

 結婚は何歳でするものなのかもわかっていないマリアは、すぐにグレイと離れなければいけないのかと勘違いしていたのである。
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