心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 マリアが先ほどのキスの意味を問おうと質問をすると、真っ赤だった王子の顔がさらに赤くなる。
 マリアは人の顔ってこんなに赤くなるのかと、王子を見て内心とても驚いていた。

 王子はクリッとしたまん丸の目をマリアに向けて、少し震えながら大きな声で叫んだ。


「おっ……お前は! ミアのキスも知らないのか!?」

「ミアの……キス……?」

「男が女の左手にキスすることをミアのキスって言って、その意味は……! ……っ」


 じーっと興味津々で聞いているマリアを見て、まくし立てるように話していた王子がピタッと口を閉じた。
 そのあとに言う言葉を口にしようか迷っているように見える。

 言葉知らずなマリアに怒っているのか、ニヤニヤした顔で2人を見ている執事や騎士達に怒っているのか、王子は少しイライラした様子でマリアをジロッと睨みつけた。

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