心を捨てた冷徹伯爵は聖女(義妹)を溺愛していることに気づいてない

 レオはうーーん、と静かに唸った。
 
 ここ最近、急激に成長しているマリア。
 身長が伸び、手足が長くなった。幼かった顔つきも、今では立派なレディだ。
 身体も女性らしく成長していて、抱きつかれたならその胸の膨らみを嫌でも感じ取ってしまうだろう。

 そんな邪な男の考えを、どこまでマリアが理解できるのかもわからない。説明するのもできれば避けたい。
 どう答えたらいいのか、レオは真剣に考えた。


「えっと……は、恥ずかしかったんじゃないかな?」

「恥ずかしい?」


 レオの精一杯の返答に、マリアはキョトンと目を丸くした。


「ほら。いきなり抱きつかれて、照れちゃったんだよ。きっと」

「今さら? もう何年もしていることなのに?」

「昔と今は少し違うというか……」

「違うって何が? どう違うの?」

「それは……」


 マリアからの怒涛の質問に、レオはまたまた口をつぐんだ。どう説明したらいいのか、どこまで話していいのか、もうレオにはわからなかった。


「んーー。俺からは何も言えないから、直接グレイに聞くといいよ」


 迷った挙句、レオの出した答えはグレイに丸投げすることだった。


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