四季くんの溺愛がいくらなんでも甘すぎる!
親友の草壁夕凪(くさかべ ゆうな)には「先輩にばっか見惚れてないでちゃんと教科書も見なさい」っていつも怒られちゃうし。

四季くんは三年生で、私は二年生だから、ひとつ上の先輩だ。

わざわざ三年生の教室がある階まで行かないと滅多に会えないし、
だからこうやって一緒に居られる休み時間が貴重なんだよね。

毎時間会ってるわけじゃない。

夕凪は風紀委員に所属している。
昼休みはその仕事で生徒会室に行くことが多かった。

だからそういう日はこうやって四季くんと過ごしている。

「シュリのとこは?」

「私?」

「次の授業」

「数学だよ」

「シュリ、数学嫌いじゃん。じゃあいいじゃん、サボろうよ」

「風紀委員さんに怒られちゃうよ」

「いいじゃん、怒らせとけば」
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