四人の旦那様〜結婚してください〜
「血、血がすごいよ!消毒しないと!」

ちょっと指を切っただけなのに、まるで私が大怪我をしたかのような騒ぎっぷりだ。料理をしていればちょっとした切り傷や火傷を負うことはたまにある。

「大丈夫ですよ、これくらい」

そう笑って言ったんだけど、敦さんは「ちょっと待ってて!」と言い、テレビの近くに置かれた棚から救急箱を持ってきた。その中には消毒液や絆創膏など応急処置に使う道具が一式揃っている。

「指、出して」

コットンに消毒液をつけ、敦さんが言う。私はすぐに「自分でしますよ」と言ったものの、素早く手を掴まれてしまった。

「早く手当てしないと、痕残っちゃうといけないから」

そう言う敦さんの顔はとても真剣で、ドキッと胸が高鳴る。小さな怪我でこんなに心配してくれる人、今まで見たことがなかった。優しくされることが嬉しくて、でも少し恥ずかしくて……。

「お、お願いします……」

消えてしまいそうなほど小さな声で言った。敦さんの耳にはちゃんと届いていたようで、満足そうに笑って「任せて」と言っている。傷口にコットンが当てられた。
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