きみのいちばん!

気付き

私は、葉月(はづき)かな。勉強が少し得意な中1。

突然だが、私は今、恋愛相談を受けている。




「かなちゃん!!!実は、、、心くんに好きな人いるか聞いてほしいの!」

相談をしてきたのはクラスメートの伊藤里花(いとうりか)。

里花は同じくクラスメートの中山心(なかやましん)が好きらしい。

なんでも、自分に優しくしてくれるから、だそうだ。

「ホントは自分で聞くつもりだったんだけどね、やっぱ恥ずくって!ほら、かなちゃんって心くんと仲良いでしょ??」

何か嫌だな。そう思った。でも、言えない。

なんせ、クラスの女王様だからね。

「いいよ。でも、期待しないでね。ほら、私って里花みたいにコミュ力高いわけじゃないからさ。」

一応保険はかけておいた。多分失敗しても大丈夫だろう。

「ありがとぉ!お礼はするね!」

しないくせに。










昼休み


「心~。」

幼なじみの名前を呼んだ。

「どうした?かな。」

心とは幼なじみで、小学校の頃は毎日遊んでいたが、中学生になってからぜんぜん遊んでない。

名前を呼んだのも久々だ。

「めずらしいな、かなが俺に話しかけるなんて。何か用?」

おかしいな。少し話しただけでちょっと、ホントにちょっとうれしい。

恋愛話をした影響だろうか。

「いや、ちょっと聞きたいことがあってさ。ちょっと人がいないとこ来てくんない?」

「あぁ、いいよ。」

これでとりあえずは大丈夫だと思い、里花の方を見た。

里花の顔は笑っていた。









「で、聞きたいことって??」

さっそくそれかぁ、、、。もう、腹をくくって単刀直入にいくか。

「心って、好きな人いる?」

「俺?」

まずいな。反応がちょっと怖い、、、。

心はちらりとこちらを見た、ような気がする。

「バ○コさん!」

「は?」

「いや、だから○タコさん。」

いや、冗談にも程があるだろ。

「っていうのは嘘で。」

嘘なんかい。やばい、思わず突っ込んでしまった。

「いないよ、好きな人は。」

「、、、そう。ありがと。」

そう言って私は立ち去った。

なぜか、ほっとしている自分がいる。なんでだろう。

もしかして、、、いや、ないな。

きっと、幼なじみの恋愛話を聞かされるのが嫌なだけだ、たぶん。








教室に戻ったら、里花が話しかけてきた。

「ねぇ、どうだった?」

「いないってさ。」

「ふーん。」

何その反応。少し怖くなるじゃん。

「ありがとね!お礼にかなちゃんの恋愛相談受けるよ!」

はあ?何でまた私?

でも、少し知ってみたいことはある。

「ねぇ、好きって、どんな感じ?」

「えっ!?好き、かぁ、、。かなちゃんに当てはまるか分からないけど、話をしたら嬉しくなったり、他の人と話してるのを見ると嫌だなぁって思ったり、その人のいちばんになりたいって思うことかな。」

「かなちゃんはそんな人いるの?」

好き、すき、好き、、、、、。

里花が言った感情をつい最近感じた気がする。

その瞬間、ぱっとあいつの顔が思い浮かんだ。なんで、、?

「あ、ありがと。里花が言ったこと、参考にするね。あ、お手洗い行ってくる!」

「あ、ちょ、かなちゃん!?」

逃げてしまった。

何であいつの顔、心の顔が思い浮かんだんだ?

まさか、私、心のことが好き?


















< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop