意地悪なエイプリルフール
side楓

「俺とさ、別れてくれない?」
その言葉を放った瞬間、ひゆはは固まった。
まぁ、そうなるよな。
俺でもそうなる。
「...んで...な...んで?」
涙を目にいっぱいためて上目遣いで見てくるひゆは。
あー、可愛すぎる。
てか、どうしよ。理由とか考えてなかった。
「あー、っとそれはー」
「やだっ!やだやだやだっ!楓くんと別れたくないっ!」
続きを言おうとしたとき、俺は固まった。
なぜなら、ひゆはがそう言って、抱きついてきたからだ。
っ、可愛すぎる。
やべー、理性持たねぇ、
でもここまで来たらもっと意地悪したくなる。
「ふーん、別れたくないのはなんで?」
「えっ、あ、えと...」
そう聞くと、ひゆはは顔を赤らめて言葉に詰まった。
「ねぇ、なんで?なんでなの?」
「えっ、と...その、楓くんが...好き...だから...」
っあー、やべー、可愛すぎる。
そろそろネタバラシすっか、
「なぁ、ひゆは。今日4月1日は何の日?」
俺はひゆはにそう聞いた。
< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop