私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました

5 私が王子殺害未遂の容疑者……?


「関係って何? 何を言っているのかわからないわ。それに、結婚というならそれはフェリクスのほうでしょ! 私との婚約を破棄してドロテと婚約しようとしているじゃない!」

「はあ!? ドロテと婚約ってなんの話だよ!?」

「私はちゃんと知っているんですからね! 誕生日だって、私には何もくれなかったのにドロテにだけあげてたし。わかりやすすぎるわ」

「はあ!? 俺はちゃんと渡しただろ! お礼も何もなかったけどな」

「もらってませんけど。それに、お礼も何もなかったのはそっちじゃない! あの刺繍のハンカチ、結構がんばったのに……!」

「刺繍のハンカチ? もらってないぞ。ドロテからはもらったが……」

「あら、そう。ドロテのは受け取ったけど、私のは受け取らなかったってことなのね。まぁ私との婚約を破棄しようとしたくらいドロテが大事だってわかっているわよ」

「はあ? 何言って……婚約を破棄しようとしたのは……!」

「アリエル・ブランシュ!!」



 !?
< 26 / 61 >

この作品をシェア

pagetop