私に婚約破棄しようとしてきた王子が、階段から落ちて意識不明になりました【コミカライズ決定】
「まぁ、ここは男の俺から言うべきなんだろうな」
頬を少し赤く染めたフェリクスは、体の向きを私に向けて真っ直ぐに立った。
つられて私もピシッと背筋を伸ばしてしまう。
ドッドッドッ……
心臓がうるさいくらいに早鐘を打っていて、その息苦しさで倒れてしまいそうだ。
「俺は、アリエルと婚約を破棄なんてしたくなかった。そんなことするくらいなら、最初からアリエルを婚約者にしてない」
「……え? 私がフェリクスの婚約者になったのは、ただの偶然だったのよね?」
最初から婚約者にしてないってどういうこと?
勝手に親に決められていたって、フェリクスは言ってたわよね?
私の質問に、フェリクスはより頬を赤くして「うっ」と声を漏らした。
「……偶然じゃない。俺が、アリエルがいいって言ったんだ」
「…………」