君の好きな人になりたかっただけ
…ふと、ポケットに入れていたスマホを取り出して、陽太とのメッセージ画面を開く。



『陽太こそ、素直になれよ』



俺が最後に送った文章には、既読マークがついていた。



陽太にちゃんと届いていたのだろうか。


陽太は最後に何を思ったのだろうか。



「…なあ、教えてくれよ」



いつもみたいに明るく冗談だよって言って笑えよ。


陽菜乃を悲しませるなよ。



きっと陽菜乃はこれからも一生、陽太を想い続けていくだろう。


伝えられなかった想いは忘れようと思ってもずっとずっと心に残り続ける。



こんなのもう、俺は陽太に一生敵わないじゃないか…。
< 24 / 42 >

この作品をシェア

pagetop