君の好きな人になりたかっただけ 〜報われない片想い〜
せっかく朝頑張ってセンター分けにセットした髪の毛を、乱暴に片手でかき混ぜる。



「優しく笑うのだよ。これ以上百合のこと好きになるやつ増やしたくねぇの」


「でも、私は彗の彼女よ?」


「わかってるよ。だけど百合は魅力的だから、ちょっと笑っただけで男は落ちるの。よく覚えとけ」



ふんっとそっぽを向くと、なぜか百合はクスクスと笑っていた。



「みんなの前で“自分のもの”宣言したんだから、簡単に手出そうとする人はいないわよ。でも、そっか。彗はそれほど私のことを好きでいてくれてるのね」



百合の綺麗な瞳にじっと見つめられ、不覚にもどきりとしてしまう。



「あーもう!重くて悪かったな。仕方ないだろ、幼い頃からずっと好きだったんだ。やっと付き合えたことすらも夢のようなんだから、いつかこの時間が終わるかもなんて馬鹿みたいなこと考えちゃうんだよ。でも俺は、何があっても百合のこと離したくない」



百合の白くて細い指に自分の指を絡める。
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