君はビターチョコのように
放課後デート

週末の放課後に

とうとう、二月に入ってしまった。
朔夜先輩からヒントをもらってから今まで以上に必死に考えてるんだけど、答えが出ない。
今日も考えて、日が暮れそうだ。
「日菜、学校!」とお母さんの声が聞こえてきた。
時計を見たら、あと二十分で電車に乗らないといけない時間だった。
遅刻する!
鞄の中を確認して、よし、ちゃんと入ってる。
「いってきます!」
そして、家を飛び出し、自転車に乗って、下り坂を一気に下った。
急がないと、学校で先輩が待ってるのに!
何とか電車に乗り込み、遅刻は免れそうだ。
ほっとしたら、マナーモードにしていたスマホが鞄の中で振動していたことに気づいた。
スマホを出そうとしたら、振動が止まった。
通知をみると、朔夜先輩からの電話だった。
電車を降りたら、掛け直そう。
そう思い、仕舞おうとしたら、また、スマホが振動し、留守番電話の録音通知が来た。
「今日は学校休むから、気をつけろ」
忘れてたけど、朔夜先輩は勉強は出来るけど、喧嘩ばかりしている。
よく、怪我をして学校を何日も休む問題児だった。
でも、今日は、って事は喧嘩ではない気がするから、今日は、何となく休むって感じなんだろう。
「後、来週の金曜日の放課後、予定空けとけ」
これは、まさか!
「出かけるからな」
放課後デートのお誘いだ!
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