君はビターチョコのように

先輩からのヒント

これは、週末デートの一週間前に遡る。
さて、先輩からのヒントはこうだ。
「ヒントは日菜の中にある」
だから、一番、最初に思いついた、告白した時のチョコを渡そうと思った。
でも、候補は前から、もう一つあった。
朔夜先輩が大好きなチョコのお店のビターチョコレートをプレゼントすることだ。
どうしよう...。
まだ、土曜日の朝だし、とかも言ってられない!
そんなことで時間がどんどん過ぎるんだから、しっかりしないと!
あれこれ考えてたら、電話がかかってきた。
名前を見ると朔夜先輩だった。
答えが気になってかけて来たんだ!
「もしもし」
「もしもし。聞こえてる?」
「はい!聞こえてます!」
「よかった。昨日、スマホの画面、割ったから、スマホの機能、心配だったんだ」
「また、喧嘩したんですか?」
「普通に落とした。それより、答え。分かった?
それ聞きたくてかけたんだよ」
「実はまだで」
「そんな可愛い日菜にもう一つ、ヒントを出そう」
ヒント!
「ヒントはビターチョコレート」
ビターチョコレート!
「分かりました。ありがとうございます!」
クスッと笑う声が聞こえて、
「待ってるから」と朔夜先輩は電話を切った。
よーし!答えも分かったことだし、頑張るぞー!
そして、次の日、先輩がデートに誘ってくれるとは思ってなかった私なのであった。
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