狂愛〜虎を照らす月〜
「ちょっと!」

「なんだよ。俺の新しくできた楽しみを横取りすんなよ」

バカだ。
もう、勝手にしてくれ。
楽しそうで何よりですー。

なんだかんだ、全部可愛かったし。
ちゃんと、スポーツタイプとかもあった。
忙しい中、いろいろ考えてくれたんだろう。

「ありがとね」

とりあえずお礼は言っておこう。

「よし。どれ、行くぞ」

そう言って、岳は私の手を引いて部屋から出た。

そして、食堂に行くまでざっくりと案内もしてくれた。
あと細かい事は、繁に聞けと。

「繁の事知ってたの?」


「ああ。あいつは昔うちにいたからな」


「そうだったの!?」


「ああ。だから、この家にも住んでたからわかるはずだ。」


「蛇だよね」


「クククク。蛇だな」


そんな話をしていれば食堂についた。
私はここでもあんぐりだ。

ひっろ!!

「若!」


「悪いな。明日あたり通達あると思うが、先に。俺の女。結婚する。濱田深月だ」


「おめでとうございやす!!」
食堂の担当だろう組員がゾロゾロと出てきて口々にお祝いの言葉をくれた。
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