狂愛〜虎を照らす月〜
「兄貴!!これ」

朔が、ピルと水を持って来た。


「飲ませろ」

そう言うと、口の中に薬を入れて、水を入れた。

ゴクッと深月の喉が動く。


「もう、大丈夫なのか?」
朔も聞いてくる。


「ああ。大丈夫だ。お前ら、もう下がっていいぞ。行ってこい」

まだ、陸と朔は血走ったままの目をしていた。


「ああ。悪い。それじゃ」


「いや。俺こそ。悪かったな」


「いや、深月さんを止めれなかった」
朔が言う。


「何があった?」

「止める俺たちに鉄拳くらわして、股間蹴り上げて、背中蹴って入っちまった」

陸が言った。

は?


「なぁ。あんたの奥さん、イカれてんぞ」

陸が、おかしくなっている。


「ははは!ヤベェな。そりゃ。
まず、わかった。
いろいろ悪かった。
本当に、もう大丈夫だから。
お前らも、その顔なんとかしてこい」

相当、辛いはずだ。

「行ってこい」


「「承知」」

そして、2人は一瞬で消えた。
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