狂愛〜虎を照らす月〜
俺は素っ裸で、ジャケットを巻き付けただけの深月を横抱きにして、部屋まで歩く。

すると、繁が慌てて駆け寄る。

「わ、若!」


「うるせぇ。深月が起きる。」


「す、すいやせん!そ、その、、」


「ああ。もう大丈夫だ。
深月も、、寝てるだけだ。」


「そ、そうすか、、。
部屋まで、ご一緒しやす」


繁が扉を開ける。


「繁。心配かけた。下がっていい」


「承知」


そして、深月をベッドにそっと下ろした。


「ありがとな、、」


深月を撫でる。

本当にコイツは、、、
怖いもの知らずというかなんというか、、


人がせっかく、耐えてんのに。
まさか自分から野獣の檻の中に飛び込んでくるとはな。


しかも、陸と朔をぶん殴って、蹴り飛ばして。

何やってんだよ本当に。
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